朝宮の特徴
滋賀県の信楽の地にある、国内最古級の茶産地。日本五大銘茶の1つとしても知られています。朝宮茶の誕生は1200年前。805年最澄(天台宗・開祖)が留学先の中国より茶の種を持ち帰り、朝宮の宮尻の地に植えたことに発すると言われています。標高400mの朝宮は茶栽培に適した土壌と気候条件を持ち、品評会で何度も受賞を重ねている銘茶の産地です。
朝宮は宇治から山を越えた場所に位置し、かつては隠れ宇治と知られておりました。しかし現在は知る人ぞ知る銘茶の産地です。お茶の業界の人に訪ねると「日本一値段の高いお茶ね!」と言われる程、高級茶として知られています。
京都利休園の信楽工場はそんな朝宮にあり、辺りはお茶畑が広がっております。
朝宮の歴史
最澄が朝宮茶のはじまり
朝宮茶の歴史は古く、およそ1200年前の805年に伝教大師最澄(天台宗・開祖)が唐よりお茶の種子を持ち帰り、比叡山山麓に種を蒔いたのが始まりとされています。
また「日本書紀」「類聚国史」には815年嵯峨天皇が近江の国に行幸された際、僧永忠が茶を煎じて献じたとあり、さらに「類聚国史」には同年、畿内並び に近江、丹波、播磨に茶を植えさせ、これを献上させたとあります。この時に朝宮の岩谷山一帯に茶の実を植えたのが始まりとされています。これは宇治茶や静岡茶の発祥とされている臨済宗の開祖・栄西が宋から持ち帰った茶の種をまいたとされる時代より約400年も遡るものです。
芭蕉も訪れ詠んだ朝宮
仙禅寺下にある「朝宮茶発祥地之碑」の横には松尾芭蕉が元禄七年(1694年)に朝宮の地を訪れて詠んだ句碑があります。
木がくれて 茶摘みも聞くや ほととぎす木がくれて 茶摘みも聞くや ほととぎす「今聞こえた鳥の鳴き声を、茶畑の木に見え隠れするお茶を摘んでいる女性たちも聞いたのだろうか。」
芭蕉も朝宮の茶畑を見ながらお茶を飲んだりしたのでしょう。
朝宮のこだわりと製法の旨味と渋み。大自然のパワーのあるお茶。
朝宮茶の特徴は、とにかくお茶の持つ生命力が凄いんです。
お茶初心者の方は渋くて苦手な人も多いのが事実です。しかし、この渋みこそが大自然のパワー、朝宮茶なのです。この渋みと旨味に一度はまると他のお茶では物足りなくなるお茶ツウの方が方が多くおられるのもまた事実なのです。
通常のお茶は、春に収穫され夏を越したあたりから味や香りが落ちてゆきます。しかし、茶の葉の生命力の強い朝宮茶は冷蔵庫では1年2年たっても味がおちません。むしろ長い間熟成させることで「山の香り」が際立ち、味は角がとれてまろやかになります。朝宮茶はまさにヴィンテージの名に相応しいお茶なのです。
朝宮の真実。実はあなたも朝宮茶を口にしていた。
実は朝宮茶は様々なお茶のブレンドに使われています。
例えば宇治茶。お茶と言えば宇治茶と言ってもいいくらい全国的に有名なお茶ですが、宇治茶の殆どは他の地域のお茶が入っています。宇治茶はとても繊細な味で、多くの人の口に合う味にする為に味の濃い朝宮茶などをブレンドする事が多いのです。
朝宮茶を知らなかったと言う方も、実は朝宮の味を知らないうちに口にしているかも知れませんね。